骨粗鬆症

骨粗鬆症に対する取組み

骨粗鬆症

骨粗鬆症の治療は"3つの防ぐ"を
めざします

当院では、骨粗鬆症専門医と骨粗鬆症リエゾンマネージャーによる専門的な治療を行なっています。
・骨折を防ぐ
・骨折の連鎖(くり返す)を防ぐ
・背中の曲がりやひざの痛みを改善・防ぐ
の3つの防ぐ"をめざし「安全な治療を行うこと」+「治療をするからには骨量を増やすこと」を治療方針としています。

骨粗鬆症の原因は、加齢によるものだけではありません。50歳代女性の10人に1人、60歳代で5人に1人、70歳代で3人に1人が骨粗鬆症といわれています。骨密度は40歳くらいまで最大値が保たれ、40歳位を境に減少に転じます。つまり、加齢による骨量減少は避けられるものではなく、様々な原因で若者にも起こることから誰にでもおこることなのです。

当院で行う検査

当院では骨の強さを表す骨の量(骨密度)と骨の質の両方を測定できるDXA:デキサを導入しております。
骨の健康度が気になる方は、お気軽に受診ください。
骨粗鬆症の検査や治療をされた方には、骨粗鬆症の予防に必要な、食事・運動のオリジナルのパンフレットをお渡しします。

骨粗鬆症の原因

加齢

高齢になると、骨を作る細胞(骨芽細胞)のはたらきが衰え、骨をつくる力が弱くなるだけでなく、
骨に必要な栄養を胃腸での消化・吸収する力も低下します。

閉経・婦人科疾患
(乳がん、子宮がんなど)

閉経や、なにか原因があって早く生理がなくなった人は女性ホルモンの分泌が減ってしまいます。
女性ホルモンの分泌が減ることにより、骨量の維持が困難になります。

薬剤性、続発性

甲状腺や副甲状腺などの内分泌性疾患や糖尿病などの生活習慣病、ステロイドなどの薬物が原因となることがあります。

運動不足

骨の貯金という考え方があり、小さい頃から運動嫌いで、
あまり身体を動かさない人は骨にかかる負荷が少なく、カルシウム量が増えません。

カルシウム・ビタミンD不足

カルシウムやカルシウムを取り込むビタミンDを豊富に含んだ食べ物をコンスタントに食べる習慣がないと
カルシウム不足になってしまいます。

リンの摂り過ぎ

添加物の多い食品や清涼飲料水の摂り過ぎは危険因子になります。

食塩の摂り過ぎ

食塩の摂り過ぎは血圧を上げるだけでなく、カルシウムを尿中に追い出してしまいます。

過度の喫煙や飲酒・カフェインの摂り過ぎ

他の生活習慣病につながるものは骨にもよくありません。

胃切除後(胃がんの手術後)など
消化器系の問題

胃腸の病気や、胃腸をとった人では、胃腸の消化・吸収が悪く、カルシウムを十分に取り込めません。

家族歴

家族に骨粗しょう症の人がいるなど、遺伝的な体質がある人は骨粗しょう症になりやすいことがわかっています。

出産後

出産後にカルシウムが大量に失われたり、育児に無理な姿勢が続くと、
背骨・腰骨(胸椎・腰椎)の多発圧迫骨折が起こることがあります。

原因別

骨粗鬆症

検査から治療までの流れ

  • まずは検査をします
    健診などで骨量の低下を指摘された方や、
    骨脆弱性骨折(肩関節骨折・手関節骨折・脊柱圧迫骨折・股関節骨折)の既往がある方は検査の対象となります。
    検査は以下となります。
    ■ 血液検査 骨粗鬆症の原因になりうる疾患や、体内に必要なカルシウム、ビタミンD、骨代謝マーカーなど
    ■ 骨密度測定(DXA:デキサ)
    骨粗鬆症
    骨量が顕著に表れやすい腰椎と大腿骨で測定します。合わせて、骨質も計測でき、真の骨強度を測定できます。5〜10分程の短時間で測定可能です。
  • 検査を総合的に判断
    検査を総合的に判断します。血液検査結果と骨密度結果をお渡しします。
    ■ 検査結果:正常 結果が正常であれば、特に治療の必要はありません。経過として、半年後や1年後の再評価をお勧めします。
    ■ 検査結果:治療が必要 治療が必要な場合は、その必要性を説明したうえで、患者様に適した治療薬を、相談の上選択して開始します。
  • 定期的な血液検査や骨密度測定
    副作用対策や、治療効果を評価・明白に説明するために、定期的に血液検査や骨密度測定を行います。
    目標に到達すると一時休薬することもあります。

骨粗鬆症の食事療法

骨粗鬆症

骨粗鬆症の原因には、食生活を変えることも大切です。骨の栄養素であるカルシウム、そのカルシウムの吸収を助けるビタミンD,骨の形成に関係するたんぱく質を活性化するビタミンKが、必要不可欠な栄養素です。たんぱく質も少ないと骨量を低下させるので、食事量が少なくなりがちな高齢者の方は注意しましょう。

推奨される食品

  • カルシウムを多く含む食品
    (牛乳・乳製品・小魚・緑黄色野菜・大豆 など)
  • ビタミンDを多く含む食品
    (魚類・きのこ類 など)
  • ビタミンKを多く含む食品
    (納豆・緑色野菜 など)
  • 果物・野菜
  • タンパク質
    (肉・魚・卵・豆・牛乳・乳製品 など)

過剰摂取を避けた方が良い食品

  • リンを多く含む食品(加工食品・一部の清涼飲料水 など)
  • 食塩
  • カフェインを多く含む食品
    (コーヒー・紅茶 など)
  • アルコール

骨粗鬆症の運動療法

運動療法には「筋力をつける重要」「体のバランスの改善と下肢筋力の増強が重要」「姿勢の改善と背筋力の増強が重要」の3つの重要があります。運動療法は無理をせず自分のペースで行いましょう。
治療中の病気やケガがあるなど、体調に不安がある場合は医師に相談してから実施して下さい。

骨量・骨強度を高める運動

体重をかけて動いたり・筋力をつけることが重要です。

  • スクワット(下肢筋力/太もも)
    1日に行う目安:10〜15回×2〜3セット
    骨粗鬆症
  • カーフレイズ
    (下肢筋力/ふくらはぎ)
    1日に行う目安:10〜20回×2〜3セット
    骨粗鬆症
  • フロントランジ(下肢全体の柔軟性、バランス能力、下肢筋力全体)
    1日に行う目安:5〜10回×2〜3セット
    骨粗鬆症

転倒を予防するための運動

体のバランスの改善と下肢筋力の増強が重要です。
(原因としては内科の病気や加齢の伴う体の変化・住居などの生活環境があります)

  • 開眼で片脚立ち
    1日の目安:2〜3回(支えが必要な人は、医師と相談して机に手や指をついて行います)
    骨粗鬆症
  • スクワット
    1日の目安:ゆっくりと5〜6回を3セット
    難しい場合は、机と椅子を利用して行いましょう。
    椅子に腰掛けるように、お尻をゆっくり下ろします。
    お尻を軽く下ろすことから始めて、膝は曲がっても90度を超えないようにします。 骨粗鬆症
  • かかと上げ(ヒールレイズ)
    1日の目安:20回×2〜3セット
    骨粗鬆症

脊柱後弯を予防するための運動

姿勢の改善と背筋力の増強が重要です。

  • 腹筋を鍛える体操
    1日の目安:10回×2セット
    骨粗鬆症
    仰向けに寝て、両ひざを揃えて曲げ立てる。
    腕を伸ばしてあごを引き、おへそを見ながら手がひざにふれるまで上体をゆっくり起こし、
    5秒間静止する。(呼吸は止めない)上体をゆっくり戻す。
  • 背筋を鍛える体操
    ■ 立ったまま行う
    骨粗鬆症
    壁に向かって約30cm離れて立ち、指で歩くようにしながら徐々に手を高くあげていく。
    壁から手を離さない。一番高いところに50秒保ち、できれば1日5回。
    ■ 座って行う 骨粗鬆症
    安定したイスやソファーに座って、背もたれから体を起こす。
    両手の肘を直角にして後ろに引くように動かして背中を反る。
    または、背もたれに寄りかかって両手を持ち上げてバンザイして、背中を反る。

骨粗鬆症の予防

生活週間を見直して
骨粗鬆症を予防しましょう。

見直しのポイント

  • 体重管理
    適正な体重を保つこと・やせないようにすることが大切
    体重が減少すると男女とも骨折のリスクは高くなります。
  • 運動
    中高年者は、歩行を中心とした運動を毎日の日課として行うことが大切
    専門家が勧めている、いくつかの組み合わせた運動・自己管理による歩行は有効です。
  • 栄養指導
    栄養指導により食事のいろいろな知識をつけ、理解し毎日の食事を続けることが大切
    栄養指導を受け、知識の増加や行動は予防施行となります。
  • 喫煙と飲酒
    喫煙を始めないこと・禁煙を保つこと・過剰の飲酒はしないことが大切
    喫煙と毎日の飲酒は骨折しやすくなります。喫煙者と常習的飲酒者の骨折リスクは男女とも高いことがわかっています。エタノール量で1日24g未満(ビール500ml、清酒2合)
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